Deportare Designではスポーツメンタルコーチを以下のように定義しております。
「選手が目指す目標へ導く為にメンタル面からパフォーマンスを支えられる人」
と定義しております。その上でアスリートをサポートする際に単にパフォーマンスや結果を追求するだけではなく、選手の一生を預かる責任と人生に携わる身として大切にしているのが以下の2点です。
☑︎QOLを高める事を何よりも大事にしている。
☑︎結果よりも結果に相応しい人になる事を意識している。
※クオリティ・オブ・ライフ(quality of life)とは、一般に、ひとりひとりの人生の内容の質や社会的にみた生活の質のことを指し、つまりある人がどれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、ということを尺度としてとらえる概念である。
この大前提の上でメンタルコーチングが成り立つと考えおります。具体的な手法においては以下よりお伝えします。
☑︎コーチングとティーチングの違い
☑︎スポーツメンタルコーチングでは具体的にどんなことをするのか?
☑︎理想とするメンタルになるためには
☑︎一人一人の心に寄り添う
【コーチングの意味とは?】
英語で書くと『coaching』となります。日本語では馬車という意味になります。
つまり馬車が人を目的地に運ぶ事から転じて、クライントさんの目標や夢を実現するために正しい道に導くという事でコーチという言葉が使われるようになりました。元々はイギリスでの大学受験を控えた子どもの家庭教師のことをコーチと呼んだのが最初だと言われています。
コーチの言葉は英語のcoachという単語から来ています。この言葉の語源はハンガリー語のKocsi(馬車)ハンガリーの街Kocs(コッチ)で、15世紀後半に大型の4輪馬車が開発されて「コッチの馬車」という意味だったようです。
その上で私はメンタルコーチング時に以下の3つを大切にしております。
☑︎自分(他人)の現在地を知る
☑︎目標設定
☑︎結果に相応しいメンタルに導く
【教えるはティーチング】
よくコーチの存在を「教える人」だと思う方がいますが、「教える人」は英語で「teaching」となります。教えることと、導くことではアプローチが全く異なっていきます。この点を理解されずにコーチという言葉を使われる方が多い印象があります。一般的に、コーチは「気付きを与える存在」ということで広く認知されるようになってきました。
①人には3つの心の状態がある
人には3つの心の状態があると言われています。マイナス、ゼロ、プラスで分けられます。それぞれの専門領域をスポーツメンタルコーチがカバーしているのが特徴の1つであります。
アスリートが抱える問題は試合で最高のパフォーマンスを出し結果を出すだけではありません。人間関係、怪我、病気からの復帰、また、将来の人生設計(セカンドキャリア)まで多岐に渡って相談に乗ることがあります。
そこで、現役中のアスリートが心から安心、安全な環境だと思ってもらえるためにクライアントとの守秘義務を大事にしております。
②スポーツメンタルコーチングで大切にしていること
一般的な考え方としてコーチングとメンタルコーチングには大きな差があります。コーチングでは、その人が持っている知識や経験(リソース)を質問やワークを通じて引き出し新しいアイディアを想像するお手伝いをします。ただ、その人が持っている知識や経験に委ねられるためにコーチングとティーチングを交えた方が選手の成長が加速されると言われます。
その上でメンタルトレーニングはティーチングの役割を満たしてくれます。すでに科学的にもわかっている事実を活用した方法を教えてくれます。筋弛緩法、目標設定(管理)、イメージトレーニング、ポジティブシンキング、情動のコントロール、行動変容技法、リラクセーション、心理検査などがあります。
しかし、これらの手法を用いても崩せないのが「思い込みのフタ」になります。
③人は思っている通りの人生を歩む
ここでユニークな事例があります。20世紀の初めごろに、ヨーロッパでは盛んに「1マイル走」と言う陸上競技が行われていました。1923年にフィンランドの選手が4分10秒さんと言う世界記録を打ち立てました。
トップランナーたちは、この世界記録は目標として、4分以内に1マイル走ることを目指しました。しかし、何十年間にもわたって1マイル4分の壁を破る事は不可能だと言う考え方が陸上界の常識のようになってしまったのです。当時はエベレスト登頂よりも難しいとさえ言われました。
1954年になってロジャー、バニスターと言う選手が、3分59秒4で走り、ついに4分の壁を破ります。それは、前回の記録から31年後のことでした。ここで面白い出来事が起きます。この新記録が出た46日後に今度は別の選手が3分58秒と言う世界記録を出したのです。その後の1年間で23人もの選手が4分の壁を破っていきました。
このように私たちは無意識の心理的な限界を作り上げてしまい肉体的限界を超えずに潜在能力に制限を掛けてしまうのです。
④思い込みによって潜在能力に制限をかけている
このような思い込みをアスリートたちは無意識に持っています。自分自身が思っていなくても、周りの家族、コーチ、監督、仲間、さらには世間一般論によって私たちは無意識に自分の可能性にフタをしているのです。
このような思い込みのフタをセルフイメージと言ったり、心のサングラスと言ったりします。私たちが見ている世界は心のフィルターを通じて見ているだけなのです。この心のフィルターや心のサングラスを掛けている以上は自分の世界観で物事を判断してしまうのです。
心理学的に説明をすると「認知的歪み」が私たちの可能性にフタをすることになります。バイアスといったりします。その中でも特に多いバイアスが「自分には無理かもしれない」というアンコンシャス・バイアスが挙げられます。世の中の「普通だと?」「一般的に」「?すべき」や「絶対に〇〇」などの考え方によって飛び抜けた結果を生み出す上で弊害になっているのです。
代表例としてメジャーリーグで活躍したイチロー選手や、二刀流で活躍している大谷翔平選手。多くの人のその活躍を疑問視していましたが、先行事例が生まれたことによって今では多くの人が追従するようになりました。
その上で、「メンタルが弱い」と思っていることも思い込みです。さらには弱いからと言って「心を強くしよう」と思うのも思い込みです。大事なのは心のブレーキをしっかりと緩めることです。自分で自分の可能性に制限を掛けていることに気付けると、もっと楽に結果を残すことができる自分に気付けます。
昔、あるサッカー選手の方からこんなご相談を受けました。
「自信が欲しいです。自信を手に入れるには、どうしたら良いですか?」
と質問を受けました。そこで私は少し沈黙した後にこう聞きました。
「自信を手に入れることができたら目標は達成できるのですか・・・?」
その後、彼の曇っていた表情が一瞬にして笑顔に変わりました。
理想に近づきたいと思いながらも、理想にフタをし、問題にばかり目を向けてしまうのが人間なのかもしれません。ただ、こうした言葉掛けを的確にできる人が必ずしも周りにいるとは限らない現実に直面します。その上で重要になってるのが理想の自分に近づくための最低限の知識になります。
①理想に近づくために私が考える最低限の知識
☑︎モチベーションを高める目標設定やプランニング
☑︎練習や試合の質を高める集中力の仕組みを理解する
☑︎チーム力を高めるコミュニケーション能力
これらを満たすためにさらに具体的にスポーツメンタルコーチングを行うとどんなことを能力的に伸ばすことができるかを具体的に説明したいと思います。
②メンタルの質を高める
etc…
一般的なメンタルを強くしたいと思っている方は驚くかと思いますが、メンタルとは相互作用で成り立っています。どれだけ、素晴らしいメンタルや人間性があっても、技術や体力がなければ試合で素晴らしいパフォーマンスを発揮できません。メンタルが大事ではありますが、本当にわかっている人はメンタルも技術も、体力も全て等しく大事だということを理解してます。
私たちは既存の概念に捉われずにアスリートの幸せに貢献していくためにメンタル面を整えつつ、様々な分野においても作用することを大事にしております。そのためにも、フィジカルトレーナー、管理栄養士、データアナリストなど専門家との連携を大事にしております。
突き詰めていくと、1人1人にあった話をすることが一番大事だと思っています。個人のパフォーマンスを深く高め、選手が持っている潜在能力を最大限に引き出すお手伝いをするのがスポーツメンタルコーチングなのです。しかし、その上で大事にしている信条があります。
「スポーツが人生なのではなく、人生の中にスポーツがある」
あくまでも、スポーツだけが人生ではないのです。もちろん、人生を賭けてスポーツに向き合うアスリートたちとの時間は真剣勝負そのものです。それをサポートするメンタルコーチも最高の準備と研鑽が欠かせません。
選手との個別コーチングでは60分ほど時間をとります。遠方の方でなければ、直接お会いしてお話を聞きます。さらには、選手の練習や試合にもお邪魔します。選手のパフォーマンスが発揮される場所は現場以外にありません。
選手が選手として輝ける時間は限りがあります。その時間を私たちは全力で寄り添っていく為に出来る全てを行なっていきます。